【設計工房木土水】

設計工房木土水は阪神淡路大震災の直後に設立した建築設計事務所です。
人も鳥も草もホッと出来る街作りを目指しております。


設計工房木土水アトリエ

【木土水とコンセプト】

物を作るということは、一般的に絵画でも造形でもそうですが「増やしていくもの」…と、思いがちですが、
実は、減らして行かなければ作れないものもあるのです。
例えば六面体の木があったと致しましょう…
この木を削って何かを作ろうとした時、むやみやたらに削り始めたら、
たまたま不思議な何かが出来上がることもあろうかと思いますが、
大抵は気付いてみれば木屑の山となっているのではないでしょうか…
この時…最初のノミを入れようとする時。
ノミを持つ者がどんな「コンセプト」を持っているか…という事と、
最初に存在する「六つの面」についての認識をどの様にしたかという事が最大のポイントとなるのです。
コンセプトの無い物作り程空しいものは有りません。

果たして今の日本の街作りにコンセプトはあるのでしょうか?
ウルサイだけのテレビ番組。安全性の追求を怠った危険な道路。
札びらを貼り付けたような公共建築。
「雑草」と呼ばれている草達が一本も生息していない公園。
一体我々はどこで癒されるのでしょうか…
木土水は、「木と土と水」…「ホッとする」をコンセプトにしております。
「日本」と言う六面体の中に潜む「ホッとする優しい木や土や水」が、
そこに住む人や鳥や草と素敵にかかわれる様な街を徹底的に追求してまいります。
当然六面体ですから、6方向の側面から企画を綿密に立案しませんとばらばらな物になってしまいます。


木土水ギャラリー(休廊中)

【リフォームからレストアへ】

毎日の様にリフォームの番組がテレビで放映されてます。
楽しいのでついつい見てしまいますが、「耐震性」や「安全性」や「使いやすさ」をそのデザインの根拠にすることはまずありません。
あくまでもビジュアル的なものにウエートを置いているからだと思います。
地震でそこの住人がどうなろうとそんな事は知ったことではないのです。
ビジュアル(みため)が格好良ければまた仕事は来るのです。
確かに見た目も大切です。ただ、見た目以上に大切なのが耐震性や安全性といった構造です。
木土水は古い建物の改造工事を多く行っております。
我々はそれをリフォームではなくレストアと呼んでおります。
その歴史を背負った建物の魅力を探し、その地域におけるその建物の意味を考え、
その建物を未来に渡って使っていく住人の方がホッとできる空間を追及するのです。
ただ単に新しく作り直す作業では有りません。最初にその建物をそこに設置した時からその建物作りの歴史は始まっているのです。
そしてご縁があって引き継いだ我々が、その建物の特殊性を明確に認識して完成させていくのです。
かつてそこにあった小川は、何時しかドブとなり、かつてぺんぺん草の生えていた草の道には、何時しかアスファルトが敷かれました。
その街の、日本の、世界の財産であるその小川をなぜ残さないのでしょうか?
ビジュアルをデザインだと思い違いしているデザイナーたちは一体どんな街を作っていってくれるのでしょうか…

【もの作り集団】

「物作り作家」…とは、一部の特殊な人々のことではありません。
オギャーと産まれた瞬間から全ての人が物つくりです。
今、世界的に評価されている物作りの先輩方の作品を遥かに凌ぐ物凄い作品が、何時の日かこの地球の何処かで誰かの手によって作られるでしょう。
それを作るのはあなたかも知れませんしもしかして私かもしれません…。誰が作ろうとそんなことはどうでもいいのです。大切なのは、
あなたにしか、私にしか出来ない事があるということなのです。
奇をてらう様な個性を求めて喘ぐ事など全く無意味です。何故ならこの世の全ての物は生まれながらにして超個性的だからなのです。
一人一人を尊重して「ホッとする楽しい物を、ホッとする街」を皆で作りましょう!

【シュール癒しズム】

シュール癒しズム(シュールイヤシズム)とは、シュールと癒しを併せたエンドウキヨシの作った造語です。一言で言えば、「非日常的な癒しの空間」若しくは「環境」のことを指します。
空想世界の非現実感+癒しというテーマは一見正反対なように思えますが、実はこの二つの組み合というのは、独特の新鮮な楽しさを表現する事が出来るのです。非日常的・非現実的な世界は、創造的で夢のある世界ですが、それだけを追求すると刺激的で疲れてしまい、居心地の悪い空間になってしまうでしょう。そこに「癒し」が入る事によって「ホッとする」と言う要素が加わり、気持ちよさが保証されるのです。逆に癒しの要素だけを求めればよいのかというとそれだけでは牧歌的になり過ぎてしまいます。あくまで私が目指したい物は「新しい日本のデザインの世界」であり郷愁を誘いながらも懐古的なデザインの模倣ではないのです。少し誇張して言うならば「23世紀の日本のデザイン」を作りたい…と、いう事なのです。

    

    

東京都あきる野市「少女まんが館」2009年3月完成

東京都日の出町の少女まんが館の移転に伴い、新しい少女まんが館のデザインをさせていただきました。
新しい少女まんが館は、東京都あきる野市の秋川渓谷を見下ろすとても気持ちの良い場所です。
この場所に立つと独特の時間の流れを感じます。
何よりも秋川渓谷の持つ不思議なエネルギーが体の中を通り抜けるような気がします。
それを形にしたいと思い、デザインさせていただきました。
二階の窓から、この気配はもの凄い勢いで建物内部に流れ込んできます。
それは水の持つ清々しいものです。そしてその気配は階段を駆け下りて、一階の空間を満たし、
建物全体を包み込んでいくのです。

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千葉県野田市「ボテキンパウス」2009年2月完成

これは建物ではない
これは太陽光線集光装置だ
自然の恵みを享受し
宇宙空間に密かに存在する
小さな装置を発明した


三重県立美術館(2009年12月23日〜2010年2月14日)

写真家中里和人氏によるワークショップの作品展会場に小さな4つの小屋を作らせていただきました。
三重県立美術館第一展示室、その場所に立った瞬間、押し寄せてきた色がある。
それは三重の夜の海の色であり、三重の夜の空の色だ。
そしてその色は、写真家中里氏の新作写真集「ULTRA」に向かう色だ。
その色との出会いが小さな情緒的な4つの小屋を生んだ。

 


 

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