ピーちゃんパーちゃん展

 

私が描きたいものは
登場人物達の見た目の可愛らしさではなく
彼らの人生そのものです

常に悩みを抱え
死と直面し
自然の中で裸で生きている
彼らの内面の気持ちを描きたいのです

そんな彼らがいつも可愛らしく楽しそうに見えるのは
一人一人が抱える様々な事柄を
全てポジティブなものに変えてしまおうとする
強いエネルギーによるものだと思います

それは、
全ての生命が必ず持っている
生きる力なのです

前向きに
如何なる時でも
ただひたすら前向きに楽しく生きようとしている
彼らを描きたいのです


 

      

いつもと同じ海

いつもと同じ海
海はいつもと同じなのに
今日見る海は
いつもと違う

一体何が違うのか…

いつもと同じ海
海はいつもと同じなのに
今日の自分が
いつもと違う

いつもと違う自分が
いつもと同じ海を眺めると
いつもと違う海になる

人になんと言われようと
みんなに馬鹿にされようと
いつもと同じ様に
いつもの様にすればいい

あなたの事を
周りの人は
いいとか悪いとか
あれをやれとかここをこうしろとか
色々言うに違いない

でもそんなものは、
それを言う人の気持ちのありようで
確かなもので有る筈が無い

大切なのは
いつもと同じ海のように
いつもと同じ様に
そこに在る事なのだ

いつもと同じ海
いつもと同じ海

(2000〜2003年作品)


 

そらをみにいこう

行き詰った時
駄目な時
どうしようもない時

迷わず空を見に行こう!

そこには何億光年もの果てが待っている。
人々や植物や虫さん達は皆、その空に包まれている。

自分の小ささに気付けば
抱えている悩みの小ささに気付く

果てしなく拡がる空の大きさに気付けば
自分の夢が無限に拡がっている事に気付く

いつも空が自分達の街の真上にある事を意識しよう!
チョットだけ足を止めて空を見上げてみよう…

 

   

   

ピーちゃんパーちゃん展 2004年 豊科近代美術館(長野)


ブーチョッチョ猫がやってくる
硬い土を掻き混ぜに
ブーチョッチョ猫がやってくる
雨と土を掻き混ぜに
誰が何と言おうと
泥水を掻き混ぜて
ドロドロにいたします

(工事現場の壁 2004 東京)


 

風の強い日だった。
ホコリ目をこすり、ほそ目を開けると、
果てしなく拡がる水色の街を歩いていた。
そこには紫色の電柱があり、
どこから飛んできたのか
ぼろぼろのビニールが
かろうじてそれに引っ掛かっている。
そして、またどこかに飛ばされていきそうだ。
もしかしたら、
あの日の朝に赤く燃える空に
舞い上がったビニール袋なのかもしれない。
そして、実は飛ばされているのではなく、
自らの意志で飛んでいこうとしているのだ。
だとすれば、一体何処へ行くつもりなのか・・・・
風の強い水色の街。
ビニールは夕日を浴びて
一瞬、七色に光ったような気がした。

風に舞った水色の砂粒が
僕の目に飛び込んできた
目をこすればこするほど
周りの風景が水色に見えてくる…
そして、
それまで気にも止めた事のない景色が
実は水色によって構成されていたのだという事に
気付かされたのである。

ピーちゃんパーちゃん展 2005年 豊科近代美術館(長野)


夕方
日没間近に光る電信柱の外灯は
誰かがいてもいなくてもそこを照らしている。
私もそんな電柱と同じだ
ただ夕方になると光りたくなってしまう…

くねくね花電柱 2005年 茨城


土に水を加えてこねると
ドロッとして泥になる。
沢山の命がこの泥の中から生まれてくる
泥とは一体何者なのか?
…自分そのものに他ならない。

ドロダンゴ小屋 2005年 アンデルセン公園子ども美術館(船橋市)


 

水があるということはどういうことか

水があるということはどういうことなのか?
『生きているということだ』
人間も昆虫も植物も土も海も水そのものも
水があるうちは生きている。
でも流れてないとドロドロしてしまうので
流れているのだ。
動いてないとドロついてしまうので
全ての水を抱えているもの達は絶えず動いている
止まっている様に見えるものも
実は動いている。
太陽という名のポンプが水を汲み上げて
あちらこちらに水をばら撒いてくれる
水溜りに空が映るのには
深い意味があるのだ。
いつも下を向いて歩いている我々に
何かを語りかけている
水溜りに映った空の中に
自分の影が重なり
何故か「コンニチハ」って、
言いたくなる…。

お花ちゃん小屋 2006年 アンデルセン公園子ども美術館(船橋市)


 

 

 

水色のドロダンゴ

昔、誰かさんが作った小さなドロダンゴ
空の色を映して輝く
水色のドロダンゴ。

いつか誰かがそれを
『地球』…と、呼んだ。

自分の手のひらの上の小さな出来事が
いつしか自分の生きる環境になっている。

手のひらは、宇宙と同じ広さなのだ
子どもたち
おとなたち
自分の手のひらをじっと見つめて
何かを作ろう

そして、
ほっとする街を
のんびり出来る街を
楽しい街を
大きく育てよう

 

さざなみ小屋

ある日。
お水がザザーッと湧いてきて
グルグル渦巻いて
小さな「さざなみ小屋」になりました。

やがて、小さな「さざなみ小屋」のオイシーお水の中から
可愛らしいお魚も沢山生れました。
そして間も無くそこに、ポポンPが住みました。
ポポンPは、ドロダンゴのオニギリを作って
オイシーお水をジョーロで汲んで
沢山ドロダンコに飲ませました。
ドロダンゴは美しい空の色を映して水色に輝きました。

すると、ドロダンゴから、くねくね花の芽が出てきて
どんどん育ってキレーナお花が咲きました。

オイシーお水は、どこまでもどこまでも流れて行って
小さな村を作りました。
それが、ピーちゃんたちの住むノンビリ村です。
村のみんなは、オイシーお水と土をとても大切にしました。

小さな村はやがて大きな街になり、
何千年も経った頃
「水色の街」と呼ばれるようになりました。

 

ピーちゃんパーちゃん展 2007年 アンデルセン公園子ども美術館(船橋市)


『水色シアター』人形劇小屋 2007 アンデルセン公園子ども美術館)

 



私の人生においては

全ての名誉も栄光もいらない。

自惚れる事無く一本の筆を握り締め

ただただ思うままに絵を描いていきたい

この地球の果ての名も無き小さな草花と共に

いつも自分が在る事を思い出す為に。

 

ピーちゃんパーちゃん展 2007年 ポルティコホール(越谷市)


イラストとインスタレーション
「はじめましてピーちゃん展」 エンドウキヨシ

会期:6/4(土)〜6/12(日)

全ての事柄は

昨日でも無く

明日でも無く

今この瞬間から始まっていく

大切なのは今なのだ

会場:川口市立アートギャラリー アトリア
http://www.atlia.jp/

ピーちゃん展の様子をレポートしたサイトです(外部サイト)
https://konomezuki.com/11-20/12pi-chanten.html

 


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